***一日目・夜***



 その日は寝苦しいというほどに暑くはないが、かといって過ごしやすいといえるほど涼しい気候でもなく、布団があると暑いがないと少し肌寒い、そんな中途半端な夜だった。
 夏も終わりを迎えたかと思いきや、まだまだ残暑を色濃く残す昼間の太陽にじりじりと体力を奪われ死んだように眠る人間が多々いる女子寮の中を、今一人の少女が静かに歩いていた。目線は俯いているせいかやや下方、足元に注意を払うかのように一歩一歩を踏みしめて歩く少女を特徴付けるものといえば、腰まで伸びる茶のかかった長い髪を無造作に後ろでまとめあげたポニーテールと、それを縛り上げる髪飾りに取り付けられた鈴だろうか。少女が一つ歩を進めるたびにその鈴がちりんと音を立て、静まり返った寮内を微かに震わせる。
 少女にはその音に注意を払う様子がない。ただ暗闇が苦手なのかときどき周囲を窺うようにキョロキョロと見回しては、底知れぬ闇の中に何か異形のものでも見つけようするかのように、立ち止まって一点をじっと見つめる。そうして何もないことを確認すると、また歩き出す。やがて非常灯が照らす緑色のリノリウムの廊下の先、白いシルエットのような何かが浮かんでいるのを少女の目が捕らえたとき、彼女の緊張感は頂点に達した。まるで猫のように全身の毛を逆立て、いつでも離脱できるよう足の筋肉に力を入れて身を低くして警戒態勢を整える。ふくらはぎには、少女の運動能力の高さを証明するかのように細い筋肉の筋が浮かび上がっている。

 と、突然白い影が揺れ動いた。それにつられ、少女は自らの怯えを表には出さぬよう唇をかみ締め、一歩影へと近づく。影との距離はおよそ5メートル。少女の脚力ならば2秒で間合いをつめてさらには上段蹴りを繰り出すだけの余裕すらあったが、しかし彼女はそうせず、代わりに素っ頓狂な声を上げながら全身の力を抜き始めた。

「……ひょっとして、こまりちゃんか?」

 少女に『こまりちゃん』と呼ばれた白い影――神北小毬は、その声にぴくんと反応すると、小走りで少女へと駆け寄り、そのまま彼女の胸の中へと飛び込んだ。

「あぁ〜ん、りんちゃん、怖かったよ〜」

 半泣きですがりつく小毬を、棗鈴はしっかりと受け止める。そのまま二人は、お互いの体温を確かめ合うように抱き合っていた。やがて照れくささが限界に達したのか、鈴は優しく小毬の体を押し返し、そこで目の前の少女をまじまじと見つめて戸惑ったような表情を浮かべた。

「……ところでこまりちゃん、どうしてシーツなんてひっかぶってるんだ?」

 頭の上から白いシーツを、全身を覆うように被ったまま震える小毬に、鈴はそう尋ねた。小毬はその言葉にびくっと反応し、そのまま数瞬だけ固まる。そして、恥ずかしそうにポツリと答えた。

「だって、怖かったんだもん……」

 『いや、今のこまりちゃんのほうがよっぽど怖いぞ』とはさすがに鈴も言えず、ただ「そ、そうか」だけ答えて黙り込んでしまった。真っ暗闇のなか、まるで幽霊のようにボーっと浮かぶその白いシルエットは、肝の弱い人が見たら卒倒ものだったろう。幸いなことに、時間が遅いこともあってか、周囲に人の気配はしない。ときおり風紀委員が見回りをしているのか、こつ、こつ、という廊下をゆっくりと歩く音が響くだけだった。

「そ、それで、りんちゃん、何のご用事〜?」

 静寂に耐え切れなくなった小毬がそう問いかける。その言葉に、鈴はようやく本来の用事を思い出したのか、やや申し訳なさそうに俯きながら、しかしはっきりと口にする。

「ごめんこまりちゃん、こんな時間に呼び出したりして……実は相談したいことがあるんだ」
「相談?」

 なるほど、それで、と小毬は合点がいく。ただ話がしたいだけならお互いの部屋に行くなり明日教室で話すなり手立てはいろいろあるはずなのに、鈴はあえてこの時間のこの場所を指定していた。相当に話しにくい話題であることはさっきから落ち着きなく辺りを見回している鈴の顔を見れば明らかだ。その理由はそういうことかと軽く頷きながら、小毬は先を促した。

「それで、何の相談? 私でよかったら、力になるよ〜」

 頼られることの嬉しさを隠さず、小毬はにっこり笑顔になった。そのどこか人を安心させるような笑みに、鈴の緊張も解けていく。すー、はー、と深呼吸をすると、真摯な目で小毬を見つめたまま、ゆっくりと一言ずつ口にしていく。

「実は……『こい』のことなんだ」
「ふ、ふえええええええぇ!?」
「こ、こまりちゃん、声が大きいぞ!?」
「もがもが、ご、ごめん〜」

 静かな廊下に素っ頓狂な声が響き渡り、鈴は慌てて声の発信源を両の掌でふさぐ。その際勢いをつけすぎたせいか、ばちーんと大きな音が立つ。その予想外の音にびっくりした二人は、お互い目を丸くしたまま見つめあう。

(び、びっくりした……それにしてもこまりちゃん、『鯉』のことを聞いただけで何でそんなに驚いてるんだ?)
(あう……口元がひりひりする〜。ってゆうか、鈴ちゃん、『恋』の相談って……うわあ、うわわわわわぁ!?)

 音を聞きつけて誰かが来ないよう祈る姿勢こそ同じであれ、二人の完膚なきまでの思考のズレはまさに滑稽そのものあったが、悲しいかな、人は他人の思考を覗き見ることはできない。致命的な誤解を抱えたまま、二人の会話は続いていく。

「それで、鯉のことなんだが、あたしはどうしたらいい? 教えてくれ、こまりちゃん」
「ど、どうしたらいいっていわれても……りんちゃんは、その、どうしたいのかなぁ?」
「そうだな……あたしとしては、仲良くしたい」
「なかよく……?」

 鈴の言葉に、小毬は眉をひそめる。

(あれぇ? りんちゃんの恋の相手って、理樹君じゃないのかなぁ?)

 端から見たらどう考えてもそれ以外ありえないし、と小毬は考える。だとすると、『仲良くなる』という表現には違和感を覚える。なぜなら小毬にとって鈴と理樹――直枝理樹ほどお似合いのカップルはいなかったし、心から信頼し合えているようにも見えた。照れ屋な鈴がわざとそっけなく理樹に接するのも微笑ましいものであったし、すべて見透かしたようにあしらう理樹の心底楽しそうな様子も、見ているこちらがうらやましくなるほどで、二人の仲が良いどころか既成事実があったとしてもおかしくはない。故に、普通こういう場合には相手を確かめておくべきで、そうしていれば『恋』と『鯉』の誤解はその時点で解けるはずなのだが、そこはそれ、神北小毬的超絶思考下では鈴の言葉は以下のように脳内変換されてしまった。

(ああ〜そっかぁ〜。きっとりんちゃん、理樹君と喧嘩したんだ。だから今日の夕方、二人ともギクシャクしてたんだねぇ。それで仲直りしたいんだけど、どうしたらいいかわからなくて困ってるんだ)

 それならば話は早いとばかりにしたり顔になると、小毬は人差し指をぴんと立てて諭すように言う。

「それならまずは、お話してみることが大切ですよ〜」
「お、お話!?」

 小毬の言葉に、鈴は心底びっくりしたような表情になる。思わず『鯉って日本語理解できるのか?』とツッコミそうになったが、小毬があまりにも自信満々に言い放ったため、鈴にそれを疑うことはできなかった。

(そ、そうか……きっとこまりちゃんは、鯉とも意思疎通ができるんだな。昔金魚飼ってたらしいし、きっと魚類語をマスターしているに違いない)

 どう考えてもありえないのだが、そこはそれ、棗鈴的超絶思考下では小毬の言葉は神託に等しく、絶対的真実性を備えている。鈴は少し考えるように俯くと、自信なさそうに小声でぼそぼそっと呟いた。

「……あたしにできるかな?」
「うん、もちろんだよ〜。りんちゃん、もっと自信を持って!」

 励ますような小毬の声に鈴がうんと頷いた。それにつられて鈴がちりんと音を立て、静寂に満ちた廊下に響き渡っていく。しばし二人は考えに浸るように無言となる。やがて、先ほどまで遠く聞こえていた風紀委員の見回りらしき足音がすぐ近くまでやってくると、見つかったら事だとばかりに目線だけでさよならを告げ、それぞれ自分の部屋へと戻っていった。



***一日目・朝***



「棗さん、その、ちょっといいかな?」
「? 何か用か?」

 猫の餌やりのため中庭に向けて廊下を走っていた鈴は、後ろからのその声にすばやく反応し、リノリウムの床をきゅきゅっと唸らせて急停止させ振り返った。そこで鈴の視界に移ったのは、肩口まで伸ばしたセミロングの、どこかおっとりとした面向きの少女。鈴はいぶかしげな表情で少女をまじまじと見つめると、クラスメートである彼女の名前を口にした。

「後藤さん」
「加藤です」
「加藤さん」

 まるで名前を間違えたことなどなかったかのように平然と言い直した鈴に、少女は気にした様子もなく軽く微笑む。

「あのね、折り入って頼みがあるんだけど、いいかな?」
「……」

 面識こそあれほとんど口を利いたこともない少女からの突然のコンタクトに、鈴は少しきまり悪そうな顔をするも、なんとか話を聞く姿勢を整えた。

「それで、なんだ?」
「私が飼育委員だってことは、知ってる?」
「……知らない」
「そっか。じゃあ、グラウンドの脇のほうに、池があるのはわかる?」
「それは知ってる」

 鈴自身を含めた計10名からなる、校内お騒がせ集団『リトルバスターズ』が野球の練習をするときに使う校庭の隣に池があることはさすがの鈴も知っていた。鈴の投げたボールを、よく理樹が打ち損じて池ポチャさせるからである。余談だがそのせいでもともと部室にあった野球のボールの半分近くをロストしており、近々理樹の自腹でボールを買いにいかせようという話も出ていた。

「その池に鯉がいるのは?」

 ちりんとすずを鳴らせて、鈴が首を縦に振る。

「それじゃあ話が早いや。えっと、私今月の飼育当番、あそこの鯉の餌やりなんだけど、今日から三日ほど、放課後は用事ができちゃってできないんだ。代わりの人見つけようにも、他の子は大体別の当番が割り当てられているし、他に頼めそうなアテもないし……棗さんにお願いできないかな?」
「鯉の餌やりか……」
「もちろんタダでとは言わないよ。棗さん、猫ちゃんたくさん飼ってるでしょ?」

 無言で頷く鈴に、少女はにんまりとした笑みを浮かべると、制服の胸ポケットから白い紙を取りだした。

「これ、近所のペットショップの割引券なんだけど」
「よし、やる」

 最後まで言い終わらないうちに即答する鈴に、少女はおかしそうにくすくす笑った。

「そう言うと思った。エサとか、その他必要なものは全部委員会室に揃ってるから。ちょっと気性の荒い鯉だったりするけど、棗さんならきっと平気だよね。じゃ、お願いね!」
「うん、まかせろ」

 そういって手を振りながら教室へと入っていくクラスメートに、鈴は胸を張って自信ありげに答えたのだった。



***一日目・夕方***



「鯉、鯉、と……いたいた。おーいお前ら、ごはんだぞ」
「ってなんであたしを見た瞬間底の方に潜るんだ!?」
「うぅ……ひょっとして、避けられてるのか……妙にでっかいやつがあたしを睨んでる気がするぞ……」
「こうなったら力ずくで食べさせてやる。口目掛けてエサを投げれば……今だ!! 喰らえ、ライジングニャットボール!!」
「やばい、目に当たってしまった……ってなんかこっち向かってくるぞ!? 怒ったのか、そうなのか!? うわあぁぁぁぁ!?」

 鈴がエサをぶつけた相手は、運の悪いことにその池の主だった。
 主は、藪から棒に大きな塊をぶん投げてきた少女に大層ご立腹の様子で、一直線に水面へと上がってくる。
 突然のことに逃げ惑う鈴に向け尾びれをたっぷりとしならせて反動をつけると、水泳選手のクイックターンの要領で宙へと飛び出し、水を跳ね上げ、ざぶーんと大きな音を立ててまた水底へと戻っていった。
 地上に残された鈴は、池の主が作り出したビッグウェーブを全身で浴び、しばらくの間放心していたのだった。







「ぜんぜんだめだった……」

 夕暮れに染まるアスファルトに長い影を這わせながら、鈴は今日の失敗をかみ締めていた。びしょ濡れになった制服の代わりに体操着で身を包んだ少女は、がっくりとうな垂れたままとぼとぼと歩いていく。向かった先は、リトルバスターズが野球の練習に精を出しているグラウンド。
 今日は用事があるから遅れる、と理樹に伝言を残したのはいいものの、その用事を満足にこなすことができなかった鈴は、傍目からもわかるほど暗い表情だった。
 小毬の意外な速球をキャッチャーミットで受けていた理樹は、その姿を見ると慌てて鈴のもとへと駆けつけ尋ねる。

「ちょ、ちょっと鈴!? どうしたの、何かあった? っていうか何で体操着?」
「理樹か……別に、なんでもない」
「そ、そう? ならいいけど……」

 鈴の素っ気無い反応に肩透かしを喰らった理樹はどうしていいかわからず、困ったときにはいつだって自分を助けてくれた頼りになる兄貴分――棗恭介を仰ぎ見ようとして、何かに気づいたように首を振って項垂れた。
 彼が運悪く就職活動でしばらくの間留守にしていることに気づいたのだ。
 その場に立ち尽くす二人を不審に思った小毬が、マウンドを降りて彼らのもとへと近寄って声をかける。

「理樹君、もう暗くなってきたし、今日はこれくらいにしない?」
「え? あ、うん、そうだね。 みんな! 今日はこれで終わりにしよう!」

 微妙な空気を察した小毬の、機転の利いた提案に感謝しつつ、理樹はグラウンドに散らばった少年少女たちに向かって大声を上げた。その声を合図に彼らは理樹のもとへと集まり、理樹が「解散!」宣言をすると、各々挨拶を交わしながら思い思いの場所へと散っていく。それを最後まで見送った理樹は、再び鈴のほうへと顔を向ける。

「鈴」
「何でもないっていってるだろー!」
「あ、ちょっと、鈴ってば!」

 脱兎のごとく逃げ出す猫のような少女の後姿にため息をつきつつ、理樹はその場に残っていた小毬に向けてばつが悪そうに苦笑いを浮かべた。

「鈴ちゃん、何かあったの?」
「さあ……?」

 問いかけられても理樹に心当たりはなく、二人は首を傾げるばかりだった。





『件名:こまりちゃんへ

 本文:二人きりで話したいことがある。今夜○○時、××のあたりにいてほしい』



『件名:Re:りんちゃんへ

 本文:うん、おっけー(^ー^)』



***二日目・夜***



 二度目の逢瀬へと向けて、鈴は今日も女子寮の廊下をゆっくりと歩いていた。昨夜と違い、秋の到来を告げるかのような過ごしやすい夜気に包まれた、真っ暗な通路を、昨日ほど怯えた様子もなく、淡々と足を運んでいく。カツン、カツン、とリズムよくリノリウムを鳴らし、目的地へと慌てることなく鈴の表情は、凛とした姿勢とは裏腹にあまり晴れたものではなかった。どことなく憂いを帯びた瞳の奥、色素の薄い赤い眼が、きょろりと動く。その視線の先、非常灯の光すら届かない、虚無を思わせるような漆黒の空間に、一つの影が見えていた。もぞもぞっと不気味な動きを見せる謎の生物の姿に、しかし鈴は場に似つかわしくない間の抜けた声を挙げた。

「……なにしてるんだ、こまりちゃん」
「あぁ〜ん、りんちゃん、怖かったよ〜」

 昨夜の再現VTRでも見てるかのように寸分違うことなく鈴の胸へと飛び込む小毬の頭を軽くなでつつ、

(ざしきわらしかと思った)

 と口が裂けてもいえないようなことを、鈴は頭の中で考えていた。

 気が済むまで抱擁を交わした二人は、やがて距離を一歩置いてお互いの顔を見つめつつ、言葉を交わす。

「それでりんちゃん、今日も、その、恋の相談かなぁ?」
「うん。鯉の相談だ」

 それにしても、と小毬は思う。りんちゃん、なんていうか堂々としてるなあ……私だったら、恋の相談をしようと思ったら、きっとどもってばっかりで声にならないよ……。りんちゃんがちゃんと成長してて嬉しいと思う反面、ちょっぴり寂しいとも思う私はなんなんだろう? ひょっとしてこれって、恋!? ってああああ違う〜、りんちゃんはいいお友達で、そのお友達が大人の階段を上ろうとしていて、ってえええええええ!?

「こまりちゃん?」
「え? あ、ああ、何? ごめん、聞いてなかった……」
「いや、まだ何も言ってない」
「そ、そうなんだ」

 ほーっと息をつき、呼吸を整える小毬に、鈴が訝しげな表情を向ける。それをなんでもないよーと誤魔化すように笑うと、小毬が先を促す。

「それで、今日はどうだった? ちゃんとお話できたかなぁ?」
「それが、その……」

 しゅんとうな垂れる鈴の様子にぴんと来た小毬は、自分の無神経な発言を後悔するように唇をかみ締めたが、鈴が搾り出すように言葉を紡ごうとしているのを邪魔してはいけないと、口をつぐんでいた。

「あ、あいつらが悪いんだっ! あいつらさえ邪魔しなければ……!」
「ふぇ? あいつら?」

 あいつらって誰だろうと疑問顔になる小毬だったが、とりあえず話を促す。

「つまり、わるもの?」
「いや、わるものじゃない。あいつらは悪くない。そうだ、悪いのは……あたしだ……」

 要するに、と小毬は思考を整理する。

(りんちゃんと理樹君がお話しようとしていたところを、誰かが割って入っちゃったってことかな? そうすると、そんなことができるのは……恭介さんとか謙吾君、それに真人君あたりかなぁ? そうすると、恭介さんはお兄さんだし、二人もりんちゃんにとっては大事な幼馴染のお友達だし、おふざけでならともかく、真剣に邪魔だなんて言ったりできないもんね。なるほどなるほど……)

「りんちゃん、あまり思いつめないで。だいじょうぶ、打開策はあるよっ!」
「ほ、ほんとかっ!? あたしはどうすればいい、こまりちゃん!」

 縋るような鈴の瞳に、少し誇らしくなった小毬は、えっへんと胸をそらした。

「ずばり、『根回し』ですよ」
「ねまわし?」
「そう、根回し。あらかじめ『二人きりで話したいから、ちょっとの間邪魔しないでね』と頼んでいけば万事解決!」
「そ、そうか! その手があった!」
「あと、好物とかで釣ったりとかもいいかもねぇ。おいしいものもらったら、頼みごと聞いてくれるかも」
「す、すごいなこまりちゃんは! その発想はなかったぞ! やっぱりこまりちゃんはすごい」
「そんなことないよ〜。私は、普通だよ」

 どう考えても普通ではありえない勘違いをしているのだが、二人ともそんなこととは露知らず、今日も収穫があったとばかりに喜び勇んでそれぞれの部屋へと戻っていくのだった。



***二日目・夕方***



「その、なんだ、昨日は悪かった」
「……」
「あたしも、初対面だというのに、少し馴れ馴れしすぎたのかもしれない。お詫びといっては何だが……」
「……」

 鈴がごそごそとビニール袋から取り出した物体を、興味深げに池の主は水底から眺めた。それは、普段使っている鯉用のエサよりも2ランクほどグレードの高い、いわゆる高級ペットフードだった。言葉通り鈴は昨日の無礼を反省しており、自腹を切って買ってきたのだ。主にそのエサの価値を識別できたかは定かではないが、鈴の真摯な態度に何か感銘を受けたのか、ゆっくりと水面へと上昇していく。その泳ぎに昨日のような荒々しさはなく、エサをもらいに行く普通の魚の姿そのものだった。やがて一人と一匹は、鈴が手を伸ばせば触れられる位置まで近づく。鈴は袋から親指大の塊を取り出すと、その薄緑色の物体を、主の口へと放り込もうと指を伸ばす。瞬間、

「にゃー!」

 鋭い声があたりに響き渡り、鈴と主は同時に身をすくめた。一瞬早く我に返った主は、慌てて水底へと戻っていく。状況を把握できない鈴が、何事かとあたりを見回すと、足元で虎模様の猫がじゃれついていた。

「ひ、ヒットラー!?」
「にゃー」
「それにファーブルに、ゲイツもか!?」
『にゃー』

 猫たちは、ご主人様に名を呼んでもらえたことを嬉しく思うように甘えた声で鈴に応える。そのかわいらしい泣き声に、一瞬心を奪われかけたが、すぐに自分が何をしていたのかを思い出し、水底へと目を向ける。そこには鈴の予想通り、怒りに満ちた目で鈴を睨む主の姿があった。

 主は自分が騙まし討ちをされていたと思い、まず自分の迂闊さを呪った。所詮相手は人間だというのに、おれはなにをやっているんだと。今まで散々騙されてきたじゃないかと。相手より先に自分を非難するその気高い姿勢は、まさしく池の主にふさわしく、周りで様子を窺っていた子分たちも感嘆の様子で主を眺めていた。やがて自省が済み、自分が何をされたかを冷静に見つめ返すようになると、主の怒りは鈴へと向けられるようになる。

「う、うわ、なんだ、これは……お前ら、逃げるぞ!!」

 主の怒りは池の怒りであり、同時にその池に住む全ての生き物の怒りだった。いつの間にかそこには、鯉だけなく蛙やアメンボなど他の生き物まで集っていた。合計すれば何対になるのか想像もできないほどの怨嗟に満ちた視線を一身に浴びた鈴は、たまらずその場から逃げ出すので精一杯だった。





『件名:Re:Re:こまりちゃんへ
 本文:今日も話がしたい。昨日と同じ時間、同じ場所に来てほしい』



『件名:Re:Re:Re:りんちゃんへ
 本文:うん、わかったよー。待ってるね(^0^)』



***三日目・夕方***



「お前たちに話がある」
『にゃー』

 中庭のベンチに腰かけた状態で、鈴は足元へ群がる十数匹の猫たちへ向かって、重々しくそう切り出した。普段の少女とは違うその気迫に気圧されたのか、猫たちもいつものようにじゃれついたりはせず、静かに行儀よく座っていた。横一列にずらっと整列した猫たちの大人しい様子に、鈴は満足げにちらっと笑みを浮かべると、またすぐにそれを引っ込めて真剣な口調で話し出す。

「あたしは今日、これから戦いに行かなくちゃいけない」
『……』
「それは厳しい戦いとなるだろう。何せ相手は、池そのものといってもいいほど巨大な存在だ。……正直、勝てる気がしない」
『にゃっ!?』
「もちろん勝つつもりではいる。だが、もし勝てたとしても、五体満足でいられるかはわからない」
『……』
「心配するな。あたしにもしものことがあったときには、理樹に後のことを頼んである。理樹は地味で目立たないが、なんだかんだで頼りになる。お前たちも知ってるだろ」
『にゃ……』
「それから、ヒットラー、ファーブル、それにゲイツ」
『にゃー?』
「昨日のことはお前たちのせいじゃない。あたしがもっと気を利かせていれば避けられた事態だ。だから、そんなに気にしなくていい」
『みゃあ……』
「それじゃあ、今日のごはんだ。昨日発売されたばっかりの、『モンペチ南国風味』だ。おいしそうだろう。さ、食べろ」
『にゃー』

 まるでかつての旧帝国軍の特攻隊が特攻の際最後に杯を交わすときのような、厳かな雰囲気でその食事は進んでいった。誰も一言もしゃべらない。猫がもしゃもしゃとモンペチを咀嚼する音と、秋風が木々を揺らすざわめきだけが辺りを支配していた。いつもなら我先にとごはんにありつくのに、今日の彼らはお互い譲り合うかのように遠慮がちだった。しかし鈴は何もいわず、じっと優しげな瞳で見つめていた。

 そして、時が訪れる。

「大人しく留守番してるんだぞ」
『にゃー』
「じゃ、行ってくる」

 行ってらっしゃいませ、お気をつけて、と告げるかのように、猫たちが一斉に頭を垂れる。その様を見てさもおかしそうに笑うと、鈴は表情を引き締め、毅然とした態度で池へと向かっていった。





「また会ったな」
「……」
「そんなに警戒するな。あたし一人だ」
「……」

 池には、主の他、極少数の親衛隊と思わしき鋭い目つきをした鯉が周遊していた。大勢に出迎えられることを予想していた鈴は、ややあっけにとられていたが、顔には出さず凛とした態度で主と向かい合っていた。

 実は主のほうでも、てっきり少女が、彼らの天敵たる忌々しい毛むくじゃらの生き物を、ありったけの戦力を引き連れてやってくると思っていたため、鈴が一人でやってきたときには拍子抜けしていたのだが、やはり彼も主たる威厳でもって、一瞬たりとも油断はすまいと少女をくまなく観察していた。

「その、何といったらいいのかわからないんだが」
「……」
「昨日と、それから一昨日のこと……ごめん」

 ぺこり、と頭を下げる鈴。
 ほんの一瞬だけ、主たちの間に動揺が走る。

――どういう、ことでしょうか?
――てっきり我々を滅ぼしにきたのかと思っていたのですが……主?
――わからん。だが、油断はするな。昨日のこともある。

 何をたくらんでいるんだ、といわんばかりに睨みつけてくる鯉たちの激しい視線を、鈴は頑として受け止める。そのまま膠着状態が続くかと思いきや、不意に鈴がポケットからビニール袋を取り出す。主たちは何事かと注視していたが、鈴の手にしたものをみて怒りと羞恥に打ち震えるかのように円運動を始めた。

――なめやがって……!
――昨日と同じ手だと!?
――糞がぁ……! 魚だと思ってなめんじゃねーぞ!! 主!!
――総員、待機! 合図を待て。これよりミッションを開始する!

「昨日はあげられなかったが、邪魔者は今日はいないぞ。さあ、遠慮なく食え」

 エサを一つまみ、身をかがめて水面へと近づいた鈴を見て、主が声ならぬ声で雄たけびをあげた。

――総員、突撃!!!

 その言葉を合図に、鈴の足元に控えていた鯉が一斉に水底から這い上がってくる。彼らがいる位置は、立っていた鈴からはちょうど真下の死角の部分にあたるため、鈴には見えていなかったのだ。ごぽごぽと音を立てながら、水しぶきをあげて敵を撃退しようと試みる鯉たち。しかしその姿に、鈴はまだ気づいていない。のん気に池の主に向けてエサを差し出し、『来いよ鯉、これでお茶の間はどっかんどっかんだな』などと呟いている。

――勝った!

 主が自分らの勝利を確信した、まさにそのとき、

 キーン!!!!!

 耳をつんざくような金属音が響き渡る。突然の衝撃音に、主の背筋が凍りつく。

――これは……この音はっ!?

 主はこの音に聞き覚えがあった。否、主だけではない。その池に棲むものなら、誰しもが聞いたことのある、悪魔の雄たけび。

――いかん、総員、退避! できるだけ底のほうへと潜れ!
――ダメです! 間に合いません!
――くそっ! なんてことだ! 最近はご無沙汰だったとはいえ、油断していた……

 主の頭に、かつての悲劇がよみがえる。
 まだ現在の主が主でなかったころ、すなわち、旧主が池を支配していたころのこと。
 それは、突然に、唐突に、やってきた。
 それは、理不尽に、かつての主の命を奪い去っていった。
 それは、激しいときには一日に三度、一週間連続して発生することもあった。
 そんなとき彼らは、ただ身をすくめて水底でふるえていることしかできなかった。
 予兆も対抗策も何もなく、ただ大きな硬い塊が、突然に、加速をつけて鋭い角度で池の中へと飛び込んでいくその現象を、彼らはいつしかこう呼ぶようになっていた。


 理不尽なる衝撃メテオ・ストライクと――


 その正体は、理樹のフルスイングによる大ファールボールに過ぎなかったのだが、彼らがそれを知る由もない。それはかつての彼らのリーダーの命を奪い、今再び、猛威を振るおうとしている。事実はただそれだけだった。

 主に一瞬遅れて、鈴もその音の正体に気づく。驚きのあまり前のめりにつんのめって池に落ちそうになりながらも、なんとか体勢を立て直して後方の空を仰ぎ見る。拳大の、見慣れた野球ボールが、鈴の真横5メートルの地点に向けて、放物線の頂点から重力に身を任せて急下降していく。着弾予想地点には、待機していた鯉の姿。結果は歴然。理不尽なる衝撃メテオ・ストライクは、その名のとおり、またも理不尽に主の仲間の命を奪い去ることだろう。己の不甲斐なさ、無力さに打ちひしがれそうになった主の目に、しかし今、一つの影が舞い躍る。

「危ないっ!」

 猫のように体を屈めてしなりを作ると、鞭のようにばちーんと弾けそうな音を立てて鈴が横っ飛びにジャンプする。制服が汚れるのも厭わず、仲間を助けようとする少女の姿を、主はただ見守ることしかできなかった。

 どんっと鈍い音を立て、鈴の体が地面に叩きつけられて跳ねる。傍目からはやや危険な倒れ方に見えたが、図抜けた運動神経のおかげか、跳ねた際の反動を利用してくるっと体を一回転させると、そのまま足からきれいに地面へと着地する。左手は軽く汚れを叩きつつ、右手には、池の主らが恐れてやまなかった災厄の象徴たる野球ボールが、吸い付くように収められていた。鈴はそれを高く掲げると、傍らで硬直していた鯉に向けてにこっと笑顔を向けた。

「怪我はないか?」

 鯉はお礼をするかのようにその場でくるっと一泳ぎすると、すーっと水底へと沈んでいった。そっけないといえばそっけない彼の素行を気にした風でもなく、鈴は息を整えるように深呼吸をする。

「それにしても危なかった。まさに、ききいっぱつだ」

 乱れた髪をうるさそうに掻き揚げる。と、その拍子に指が引っかかって、髪留めのすずがぽろりと地面へと落下していく。
 
「あっ!?」

 気づいたときにはもう遅く、すずは地面で一度軽く跳ねると、そのまま静かに池の中へと吸い込まれていった。
 すずの中に篭っていた空気が、ぷくぷくっと音を立てて泡となる。その泡が弾ける様を見つめながら、鈴は久しぶりに昔のことを思い出していた。



――りんって、おんなのこだったんだね
――あたりまえだ。あたしがおとこなわけないだろ
――ごめん。ぼく、おとこだとおもって、いたっ、いたい、かみのけひっぱらないでよ、りんってば!?
――うるさいっ! だいたいこのすずのかみどめをみてみろ、どうみてもおんなのこだろっ
――ああ、そういえば……
――このすずって、かんじでかくと、あたしのなまえとおんなじになるんだぞ
――へぇ、そうなんだ。よくしってるね
――って、きょーすけがいってた
――ってことは、きょーすけにもらったの?
――うん。これをつけてれば、すこしはおんなのこにみえるだろうって
――……やっぱりまわりからもおとこっておもわれてたんじゃ……ああ、うそ、うそだからぐーでなぐらないでっ!?



 それは鈴にとってとても大切なものであったが、今鈴は、それが水底へ沈む様を快く見送ろうとしていた。
 決別ではない。
 思い出との別れじゃない。
 心の奥底の引き出しにしまいこんだそれは、いつまでもそこに留まり続ける。
 だからこれは、お別れじゃない。
 鈴は、大人びた静かな表情で、すずが沈んでいくのを見届けようとして、

「うわ、なんだっ!?」

 しかし、それが浮き上がってくるのを、見た。

「お前……」

 池の主が水面から顔を出し、口にくわえたすずをそっと鈴に向けて差し出す。鈴は、おそるおそるそれに手を伸ばして受け取ると、両手でぎゅっとそれを握り締めた。主の静かな目が、それを見送る。

「ありがとう」

 鈴の心からの感謝の言葉に、礼などいらんとばかりにぷいっと顔を背けて、主が水底へと帰っていく。それにつられるように、鯉たちも姿を消していった。最後の一匹が視界からいなくなると、鈴はすっくと立ち上がって、グラウンドへと足を向ける。練習の時間だ。

 手の中のすずを制服の胸ポケットへ入れると、持ち主の元へと戻ったそれが、ちりんときれいな音を奏でた。





『件名:Re:Re:Re:Re:こまりちゃんへ
 本文:決着がついた。よかったら話を聞いてほしい』



『件名:Re:Re:Re:Re:Re:りんちゃんへ
 本文:そうなんだ、よかったね! うん、私でよければ、お話聞かせてほしいな〜。じゃあ今日も昨日と同じ場所で待ってるね(^▽^)』



***三日目・夜***



 三度目ともなればもう手馴れたもので、鈴は一切怯えることなく、消灯時間を過ぎ暗くなった女子寮の廊下を歩いていた。時折聞こえる虫の鳴き声に耳を澄ませ、静かに歩いていくその表情は昨夜までとは打って変わって晴れやかで、彼女にとっていいことがあったのは一目瞭然だった。目的地へたどり着くと、相も変わらずおっかなびっくり辺りを見回していた小毬が、待ってましたといわんばかりに詰め寄ってくる。

「あうぅ、やっぱり暗いのは怖い……」
「あたしがついてるから、大丈夫だ」
「りんちゃん頼もしい〜」

 きゅーっと腕を絡めてくる小毬を、少し恥ずかしげに押しのけると、鈴はこれまでの成果を報告することにした。

「こまりちゃん……あたしは、ついにやったぞ……」
「え、りんちゃん、やったって……うええええええええええええ!?」
「こ、こまりちゃん、声が大きいぞ!?」
「だだだだだって〜。やったって……やったの!?」
「ああ。これ以上ないほど仲良くなれた気がする。なんていうか、心と心が繋がって、とてもあったかい気分だ」
「そ、それってやっぱり……」

 えっちなことだよね、とはさすがにいえず、小毬は黙りこくってしまった。そんな小毬の様子には気づかず、鈴はさらに嬉しそうに語る。

「あいつ、すごかったぞ」
「すごかったって?」
「すごくおっきかった」
「あああえええええうええうぇええええ!?」
「こまりちゃん、しーっだ!」
「あ、うんごめん……」

(で、でもこんなの驚かずにはいられないよ……だって、おっきいって、理樹君、あんな顔して、えええええええええ!?)

 小毬は戸惑いも恥ずかしさも隠せず、顔を真っ赤にして俯いていた。そういうこともするんだろうということは頭にあったが、実際に話を聞いてしまうと、やはりショックは隠しきれない。大人の階段を登ってしまった(と小毬は勘違いをしている)鈴を、小毬は眩しそうに見つめていた。

「近くで見ると、黒光りのが、びくびくって感じで動くんだ」
「……」

 生々しすぎるその表現に、小毬の脳はショート寸前だった。
 ちなみに件の池の主の鯉は黒っぽい鱗で覆われており、サイズも普通の鯉の倍近くである。

「今度、こまりちゃんにも見せてやる」
「ほえ? 私にも見せるって……?」
「うん。一緒に遊ぼう」
「遊ぶって……だだだだだだっだだだだだだだだだだめだよよよよよよよよよよりんちゃん! そんなの、絶対だめ!」
「? どうしてだ?」
「どうしてって……とにかく、だめったらだめー!」

 といいつつも興味津々に理樹の下半身など想像していたりする小毬だったが、彼女の名誉のためにもここは軽く流すことにする。

「そ、そうか、残念だ……こまりちゃんだったら、あいつも気に入ると思うのに」
「そ、そうかなぁ……そんなことはないと思うよ? それは、その、りんちゃんのためにあるんだよ?」
「そういうものなのか?」
「うんうん、そういうものなのです」

 ようやく落ち着いてきた小毬が、笑みを取り戻してそう笑いかける。
 と、思い出したように鈴が声をあげた。

「あ、そういえばあいつに生臭い水(*注:池の水です)かけられたんだった……でもまああたしも口の中に(エサを)突っ込もうとしたんだし、おあいこということにしておこう」
「きゅう……」

 あまりといえばあまりに生々しい(*ただし小毬の勘違いです)表現に、小毬の頭はとうとう耐え切れず、ぷつん、と生命線を断ち切られたように崩れ落ちて気絶してしまった。ばたーんと派手な音を立てて倒れた小毬に、慌てて鈴が駆け寄る。

「!? こまりちゃん!? おい、大丈夫かこまりちゃん、しっかり!!」





 こうして今日も、夜が更けていく。
 少女の大いなる勘違いミラクルを引き連れて。



 ……余談だが、小毬がこの後自分の勘違いに気づくのは二日後、鈴に連れられて池の鯉を見にいったときのことである。

  

<了>

  


面白かったらぜひっ

あとがき
 「ねーよwww」と思わせたら俺の勝ち。

 というわけで、書いてみましたリクエストSS「鈴と小毬のコイバナ」です。内容に関してはまったく反省はしていません。強いて言えば要素詰め込みすぎて不自然かなとか、慣れない三人称に拘らず一人称で書いたほうがギャグぽかったかもしれないなぁとか思ってるんですが。ただ二人の内心描写を同時的に行うにはやはり三人称を使わざるを得ず、結果最後まで人称統一で仕上げることにしました。その辺はご意見いただけたら嬉しく思います。
修行中の身なんで、読みづらかったらすみません。構成とか変で読みにくかったらすみません。演出上こうしたほうがいいかなと思ったんです。なんかいろいろすみません、ほんと。鯉とかメテオストライクとかどうでもいいところに設定練りこんだりしてすみません、ほんと。こんなお馬鹿なお話でも、誰か一人でも楽しんでいただけたらなぁと思います。感想大歓迎>< それでは、長々とお付き合いいただきありがとうございました。またのお越しをお待ちしています。

 私信@リクエストしてくださった方へ

 おそらくあなたの予想を大きく裏切る形になってしまったことを、まずはお詫び申し上げます。きっとあなたはコイバナ=恋の話、と定義したのでしょうが、俺はそれを華麗にスルーして曲解を加えました。すなわち、鯉の話だってコイバナじゃないか、と。あるいは濃い話=コイバナってのもありかなとか思いましたが、まあともかくもこんな話にしてしまいました。わざわざ御題を考えていただいたというのに、こんなへんてこへぼ作家でごめんなさい。
 お楽しみいただけたかはわかりませんが、これを55555ヒット記念リクエストSS(正確には違いますが)としてアップさせていただきます。ありがとうございました。

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